GNU Guix System 日本語インストール方法
gcc
の最新版やクロスコンパイラ等をコンパイルする環境として、GNU
謹製のディストロであるGuix System
をインストールしてみました。ただ、そのまま.iso
からインストールすると、日本語に設定したつもりでも日本語が化けてしまいます。そこで、マニュアルの別の場所に記載されている様に、コンソールから
$ guix install font-adobe-source-han-sans
と入力して、後から追加インストールを行っても良いのですが、これだとシステム全体にインストールが行われる訳ではないので、例えばログインマネージャーの表示は化けたままですし、ほかのユーザーにスイッチした場合も、上記コマンドを再度入力する必要があります。
これを回避するには、システムのインストール時に必要なパッケージを予め追加しておくのが、一番簡単です。
注意
現在のGNU Guix System
は、Ubuntu
やFedora
等の比較的使いやすいディストロではなく、Linux
に慣れた人向け(というよりも開発者向け)です。GUIで設定出来る項目は非常に少なく、システムのメンテナンスには、CUIのコマンドを駆使する必要があります。よって、本記事ではSlackware
等で環境を構築出来る方が対象となります。パーティションの設定方法等は、他の環境と同じ考え方なので、全て割愛させて頂きます。また、バージョンが更新されている場合がありますので、そこは適時読み替えて下さい。
作業した環境
- Windows 10 Pro 64bit 1903(18362.267)
- メモリ 16GB
- Oracle VM VirtualBox 6.0.10
- Virtual Machineの構成(概要)
- OS : Other Linux(64bit)
- メインメモリ : 4GB
- プロセッサー : 2
- 起動順序 : 光学ドライブ・ハードディスクの順
- システムアクセラレーション : デフォルト
- ビデオメモリ : 64MB
- グラフィクスコントローラ : VBoxSVGA
- ディスプレイアクセラレーション : 3D
- リモートデスクトップサーバーとレコーディング : 無効
- ストレージ : IDEに光学ドライブ、SATAに仮想ハードドライブ(32GB可変)
- オーディオ : Windows DirectSound / ICH AC87
- ネットワーク : NAT
- USB : OHCI, EHCI(=USB2.0)
- 共有フォルダー : とりあえずなし
- Virtual Machineの構成(概要)
- GNU Guix System v1.0.1 x86_64
Guix System のインストール
Graphical install using a terminal based interface
を選択して、以下の画面が表示されるまでインストーラを進めます。
ここでCtrl + Alt + F3
を押下し、別のターミナルを呼び出します。表示されている通りEnter
を押し、キーマップを設定(ここでは日本語106キーボード)します。
エディターを起動して、/mnt/etc/config.scm
を編集します。ここではvi
を使っていますが、マニュアルによるとGNU nano
がお勧めらしいです。
追加したいパッケージは、私の場合は以下の通りです。基本的にマニュアルに注意点が記載されていたパッケージと、システム管理で頻繁に使うコマンドとなります。必要に応じて差し替えて下さい。
このファイル(config.scm
)に、以下の様な記述があります。
(packages (append (list (specification->package "nss-certs")) %base-packages))
この部分を以下の様に書き換えて、保存してエディターを終了します。
Ctrl + Alt + F1
を押下し、元のインストーラの画面に戻ります。表示されている構成情報は、編集結果を反映していませんが、OK
を押してこのまま続けます。
インストーラが正常に終了し、再起動を求められますが、実機と違ってブートメディアが自動でイジェクトされないので、何らかの方法(例:再起動ではなく、一度電源OFFする)で除去します。その後、再起動(もしくは電源ON)をした直後の、Guix System
のログインマネージャーの画面を以下に示します。
ちゃんと日本語が表示されています。このままログインしてみます。
大丈夫そうです。
GNOMEデスクトップも日本語で表示されていますので、これで完了です。
上手くいかない場合は、config.scm
の修正ミスが考えられます。この場合、大抵インストーラの画面にメッセージが表示されるので分かり易いと思います。が、現バージョンだとメッセージが表示された後に、上手くインストールプロセスの復帰が出来ないので、毎回仮想マシンをリセットする羽目になります。加えて、毎回config.scm
を手作業で書き換える必要があります。config.scm
を、仮想マシンではなくホストOS側で管理出来ると、少しは楽になるかもしれません。
インストール後のセキュリティアップデートや、日本語の入力システムの構築については、また別の話となりますので、ここでは割愛します。
以上